調査・解析技術

不連続変形法(DDA)による
落石シミュレーション

不連続変形法(DDA)とは、亀裂などの不連続面で区切られた任意形状の
弾性体多角形ブロック(要素)の集合体における変位・変形を動的、準静的に解析する手法です。
DDAは要素節点で変形が生じるF.E.M.と異なり、各ブロックごとの剛体変形、ひずみ変形、応力、速度が計算されます。
DDAでは、ブロック形状は凸多角形、凹多角形を問わず任意の形状、頂点数が認められています。
解析では、落石の軌跡、落石速度(速度-水平距離、速度-落下高さ)などのデータを得る事ができます。
また、落下岩塊の重心位置を出力できますので、斜面の座標と落下岩塊の重心の位置から、跳躍量などを求める事もできます。

  • 落石シミュレーションの流れ

  • 落石シミュレーションの流れ

  • (1)解析モデル(最大落石径:3.4*2m)/解析結果(落石後)

  • (2)解析モデル(最大落石径:3.4*2m)/解析結果(落石後)

3次元レーザースキャニング

3次元レーザースキャニングとは、反射鏡の設置が不要のノンプリズム方式レーザー測距儀を使用し、
対象物の3次元形状を高速・高密度・高精度に計測する技術です。
計測されたデータは、3次元座標を持つ点群データとして取り扱われ、システムソフトを用いることにより平面図・断面図の作成や、
面積・体積計算など様々な処理が可能です。

  • 特徴
    • 3次元形状を高速・高密度・高精度にスキャン
    • 複雑な形状や危険な箇所でも計測可能
    • 短時間に広範囲の計測でコスト縮減
    • 平面図や断面図の作成
    • 面積や体積の計算
    • CADなど多様な出力フォーマット
  • 適用範囲
    • 岩盤斜面の地形調査(平面・断面図の作成)
    • 切土や盛土等の土工量管理
    • 斜面や構造物の変位観測
    • 土木工事の景観シミュレーション
    • 橋梁の現況図の作成
    • 道路や空港等の舗装面の変状・変位量観測
    • 遺跡や史跡、歴史的文化財の三次元形状の数値化
    • プラント設備のモデリング
    • 雪況調査
システム及び精度
システムの概要

機器名 HDS3000 LeicaGeosystems社製
モデリングソフトウェア Cyclone5.0 LeicaGeosystems社製
計測範囲 推奨1.5〜100m(200mの実績あり)
測定速度 1000点/秒
測定間隔 最小0.25mm
測定視野 水平方向360°×上下方向270°
1スキャン当たりの測定点数 最大999点×999点
座標精度 ±6mm(1.5〜50mまで)
距離精度 ±4mm
角度精度 ±12.4秒
モデリング精度 ±2mm
レーザー規格 Class2
反射ターゲット 不要
  • 3Dスキャニングの流れ

  • 実際の現場作業状況

高精度屈折法地震探査

高精度屈折法の特徴
  • デジタル・多チャンネル測定が可能な探査器を用いて測定します。
  • コンピュータを用いて自動・手動の解析を行います。
  • 全走時に対しパス計算を実施し、理論走時と観測走時を比較。その差が小さくなるように速度構造を自動修正します。
  • 層構造を仮定しない解析を行うことができるので、複雑な地盤構造の場所でも精度良く速度構造を求めることができます。
  • ボーリング孔内で起振・受振したデータも解析に利用することができるため、トモグラフィ的な解析が可能となり、従来の弾性波探査では適用が難しかった複雑な(例えば逆転層のあるような)地質構造を持つ地盤へも適用することができます。
トンネル地質調査に高精度屈折法地震探査を適用した事例(水平ボーリング孔内でも起振)
  • 解析結果の速度構造とホイヘンスの原理の基づく正確なパス計算

  • 理論走時と観測走時の比較

弾性波トモグラフィ

休廃止鉱山において、坑道位置推定に弾性波トモグラフィを用いた事例

弾性波トモグラフィ解析結果の速度構造より坑道位置を推定し、 その位置に向けてボーリングを掘削したところ、推定位置に坑道が存在するのを確認しました。

比抵抗法2次元探査

従来の直流比抵抗電気探査を進化させた高精度の電気探査法で、探査対象が複雑な二次元構造であることを前提にしています。
比抵抗映像法では、大量の高品位なデータの取得と高度なシュミレーションや逆解析の技術により、
地下の複雑な比抵抗分布を描き出すことが出来ます。

地すべり調査調査に比抵抗2次元探査を適用した事例
  • 比抵抗法2次元探査解析図(比抵抗分布図)

  • 地質断面図

クライミング調査

クライミング調査とは、踏査不可能な急崖部でロッククライミング技術を使って詳細な斜面観察・調査を行うものです。
図に示すとおり、A)急崖下降観察者1名、B)急崖全体観察・作業指示者1名と、安全確保要員としてC)急崖下降補佐要員1名を配置します。
A)B)には専門技術者をあて、A)C)には充分なロッククライミング経験を有するものを配置します。

表面波探査

表面波探査とは弾性波探査の一種です。
地盤を人工的に起振させ、地表付近を伝わる表面波(レイリー波)を多チャンネルで測定・解析し、
深度20m程度までの地盤のS波速度を求める手法です。

  • 地質断面図

  • 表面波探査結果

  • 表面波探査の概念図